【質問箱24-2】逆張り、勝てないとイライラ小学生男子【ゲームに負けたくない】

前回の続きです。


ゲームとルールの調整

ゲームに関する工夫は、ゲーム療育という名前でいろいろ知られています。一般的には
①負けたほうが報酬が得られるルール
②潔さを評価するルール
を取り入れることが多いです。


①ゲームのルールを負けるが勝ちにして、負けた子を報奨する

負けたほうが面白いようにできているゲームなんてのも売られています。

学校で取り入れられがちな例としては、先生とのじゃんけん大会があります。
1列に並び、勝ったらハイタッチで終わり。負けあいこは、並び直して何度でも挑戦可。諦めなければ、そのうち勝てる。最後のほうで勝った子は、何度もチャレンジした子として誇りをもたせる。負けを強さにつなげ、勝負には運もあると腹落ちさせる。みたいなのをなさる先生もいらっしゃいます。
これはフェイズによると思う。そもそも並ぶのか、って話だし。

何位を優勝とするかをゲームリーダーが決めて書いて封筒に入れておくという手もあります。

が、そういう小手先の時間稼ぎテクは巷に溢れてるので…ここでは割愛(ボードゲームの広告でも入れたら小銭が稼げるが、はっきり言ってボドゲは合う合わないがありすぎるし、合いすぎると暴れるので難しいんだよ)。 


②普段絶対しない、勝ちを譲る行為や潔さを最高評価とする。

これはまぁ、話の通じる子ならおすすめ。

①、②のような手法はTOSSやフォレスタネットなど学校の先生向け授業準備サイトで見ることができます(ちなみに当ブログ初期の記事はフォレスタネットでも読めます)。


逆張り高IQにはスタンダードは通用しない

さてここから本題。

逆張り高IQ系で癇の強い子だと、多数派に人気のやり方はなかなかうまく行かないかもね。

ルールをアレンジしても受け入れないし、なんなら自分でルール変えちゃうし、ダメ出しされると泣いたり暴れたり、みたいな。

こっちの意図見透かしてくるし、かといって意図を説明しても必要性がわからない。

物欲も弱すぎたり、強すぎたりで、ご褒美あげるのも難しい。
「やだ。なんでそんなルールでやんなきゃいけないの!」
「そんなご褒美いらない!」
で癇癪起こすケースもある。


おばちゃんならどうすっかね。

③勝ち負けを短時間で超高速で繰り返すゲームにハマらせる

これを実験的に取り入れますかね…もっと様子を詳しく知らないと、迂闊には提案できないけども。

③勝ち負けが一瞬で決まるが、すぐに次をやらねばならない系のゲームにハマらせるんです。

勝ってるんだか負けてるんだかわからないけどまぁなんかわちゃわちゃ楽しいやつ。おばちゃんはこれが汎用性が高いかも、と思います。話の通じない子でもなんとかなる。まぁすぐにどうって話じゃないけどね。

普遍性、連続性を好む子にお試しさせるには「実験的に」

「試しに」「とりあえず」
みたいな言葉をお使いの親御さんは多いと思います。

有効なフェイズもあるのですが、実は、ASDみがあって連続性や普遍性を好むフェイズだと、この言葉ではこちらの提案にのってくれなくなっていきます。

「試しに」
「とりあえず」
も、始めたものをやめるというのがとっても不安、っていう心理を無視して使ってしまった記憶と結びつきやすい言葉だからです。

習い事とか学校とか受験とかもね、合わないなら辞めればいいのに、同一性の保持にこだわる系の子は、やめたがらない。そして、こじらせることもあります。
こういう子に
「自由と権利」
を与えると、やりたいことしかしない。こうしてどんどん安心できる世界が狭くなっていくので気をつけて。


やめた子が目の前から消えた不安に起因するのか、レールから降りるのが不安なのか、やめたあとの自分がどうなるのかわからなくて不安なのか、
「じゃあやめたら?」
「やめていいよ」
という親御さんの言葉を深読みしすぎて煽りのNo!だと思ってるのか、よくわかんないんだけど、やめたがらない病みたいなのよくあるのよ。


試しに…とりあえず…という言葉に乗ってこない子でも、
「実験的に」
って声掛けは効くことがあるんです。

エジソンキュリー夫人あたりの話を知ってると、実験においては
「失敗は成功のもと」
という言葉を原理原則化していることが多いのかもね。

効くと便利すぎて飽きるまで使っちゃいがちなので、できれば高学年までとっておきたいけどね。
長く使うためには、実験的に、と誘って始めさせたことについては、やめたがったら、意思を尊重してあげるみたいな配慮はしてもよいでしょう。

ひっぱたきじゃんけん実験

そこまで深く考えながら育てるのめんどくさいよね。
うーん、もっと詳しくお話聞かないと言い切れないけど、ひっぱたきじゃんけんか、あっち向いてホイとか、実験してみたいかな。

ひっぱたきじゃんけんは、超高速で勝ち負けを繰り返す系のゲームです。
ルール上は、利き手でじゃんけん。利き手の反対の手は繋ぎ合う。勝ったら利き手の反対の甲ひっぱたく、負けたら手の甲叩かれないようにサッと利き手の手のひらで反対の手の甲をガードするの。

「は?そんなの暴力性が高まるだけでしょ?」
 「やめられなくなったら困ります」
と思われるかもしれません、そう、おっしゃる通り。誰にでも通用する手法じゃどうにもならないから界隈なんだわ。
見立てした上で、賭けだよ。


負けたのにひっぱたいちゃった、勝ったのにひっぱたかれちゃった、みたいなトラブルがしばらく続きますので、じゃんけんに負けたのに間違えて相手を叩いたときは、ペナルティとして叩かれるターンを設けます(ASDADHDで対戦すると、ルールに則ろうとするASDがずっと叩かれがちなのできょうだいでやらせるときは気をつけてね)。

だけど、このゲームの特徴は、負けの刺激も結構強い。
ゲームに慣れていくうちに、勝ちの刺激と負けの刺激が均衡して、勝っても負けてもハイになるフェイズがわりと来やすいのが、このゲームの特徴です。

そこで、負けるの嫌なら辞めたら、ってささやいてみるの。いや負けても楽しい、って誘導尋問にひっかかれば、ヨッシャてなもん。その時点で、なんとなく
「勝ち負け関係なくゲームを楽しむ」
という感覚を理解してくれる子がいる、ってだけ。

ひょっとしたら、ひっぱたきじゃんけんにどハマリしたせいで報酬系がバグった!!!!!ってクレームが来るかもしれない。誰にでも通用することなんておばちゃんは一度も書いたことない。悪しからず。飽くまでも実験、自己責任でね。


思考のためのメモリを確保して、不利益に気付かせる

普遍的に通用するのは、
・人生経験を経て感情の器がデカくなる
・感情の器に常に入ってるゴチャゴチャモヤモヤを減らしておく
でしょうね。

感情のコントロールをさせましょう!って、まあまあ無理言うよね。親御さんだって、先生だって、できてる人のほうが少ないでしょ。子供なら出来るとでも思ってるのまじウケる。出来ねーよ。


感情コントロールはまだできなくて当たり前、なんだかんだやってみようや〜、ってかんじならともかく、できて当たり前みたいな無理ゲーやりたくないよ。


特に、脳がデカくて感情が強く出る子だと、ブレーキもハンドルも面舵いっぱーーーーーい!!!!錨を降ろせーーーーー!!!!みたいな感じじゃん。
脳みその中を片付けることからやってみて、時間かけてなんだかんだやってくってのが現実的。

気持ちは揺れ動くし、コントロールしきれないことだってある。感情を爆発させないとわかってくれない相手もいるじゃん?必要悪ではあるんだよな。

ただ頻度とか、いい人まで逃げていくこととか、自己嫌悪とかがね。だから感情コントロールしろしろ言うより、できてるときに(・∀・)イイネ!!

さらに当所独自になりますが、爆発させないとわかってくれない相手のときもあるっちゃあるしイライラ感で人を操作できるっちゃできるんだが、濫用するとゆっくり自滅するっぽい説も伝えておく。
常に穏やかならいいってもんでもない、主張すりゃいいってもんでもない。揺れ動く自分もアリ、揺れ動く相手もまたアリ、みたいなことを平時に伝えて染み込ませておきたいなと思います。

通常の支援と高IQ児

いろんな支援手法があります。その多くが、消去したい言動が出ているときにどうするのかという話に終始してしまっているのは実に残念なことです。

ゲームに負けてイライラしている子に
「そんなにイライラしないで」
「おやつにしよう」
などと諭してる姿を見ますが、望ましくない行動を消去する目的ならあまりにも遠回りだと思います*1

平穏なときに、どう教えても反応が薄い、寝た子を起こすような真似はしたくない、と思う大人の気持ちも当然ですが、意外に効くこともあります。以下のような働きかけを試してみていただけたらと思います。

・勝ち負けを秒単位で繰り返すゲームにはまらせ、負けてもナンダカンダ楽しめていることに気付かせる
・その子のまわりのモヤモヤの言語化や受け取り方調整(思考の悪癖緩和)、お子さんがなにかに共感することによって、ストレス値を下げ、思考メモリに余裕を設ける
・チビッコ時代の死の恐怖によって、執着から強制的に解き放つ

この3本柱をもってすれば、そのうちなんだかんだ整う、に1票。整うから3本柱が実行可能になるという順番なのでは?と問われたら…あー、ぐうの音も出ないんだけど。子育てとか療育教育って因果関係なのか相関関係なのか疑似相関なのかなんて誰にもわかんないから、まぁやってみるしかないんだわ。すまんな。

いずれにせよ、世の中から高圧的な指導や嫌がらせはなくせません。
思考が複雑になりすぎる前にたっっっぷり体験させ、そういうことをせざるを得ない悲しきサピエンスの習性に十字でも切っておくことを忘れずに。ゆめゆめ、理解ある大人でちびっこのまわりを固めてはいけませんよ*2


おばちゃんトークでは

おばちゃんトークでは、お子さんの生活全般、聞き取りします。

きょうだい関係、学校のこと、感覚過敏、ぐるぐる思考や百ゼロ思考など思考のクセ、劣等感など精神的プレッシャー、生活習慣や基礎疾患などなど…。脳に負荷がかかりすぎているなら、その負荷を緩和して脳の負担を減らせないか、方法を考えます。

思考と認識と有事に必要なメモリを確保しないと、受け取ってもらえないですからね。勝ちにこだわるデメリットとメリットを話しても。

関係ないときに話して、知識として認識させておく。こういう習慣は、ゲームに関わらず必要でしょう。

ただ絶対に有効かというと違います。この関わりで得られるのは、脳の余力であり、いざというパニック時には効きません。やらかす頻度を減らすことはできるので、様々な指導が入りやすくはなるのですが、カッとなっているときには、理性ベース、知識ベースのブレーキは効きません。

「長いものに巻かれる力(物理的に強い者、多数派に屈する能力)」
など本能をベースとした言動ブレーキか、本能に一番近い記憶(トラウマ的な記憶、潜在意識的な恐怖・危機感)しか、本当にやばいレベルの衝動を止めてはくれません。


興奮したときに、感情がコップから溢れちゃわないためにもともとコップに入ってる心身のストレスや未消化の感情を減らしておくのは、ケースバイケースでとても有効ではあります。

一般的な療育や支援級の果たそうとしている役割はこれでしょう。

しかしお子さんのイライラのタネがなくなるわけではないのです。どんなに素晴らしい関わりも万能ではありません。お子さん本人と戦略を共有し、お子さんとまわりの受け取り方を確認しながらでなければ、すぐに平和ボケや安心への執着が生まれてしまいます。
「よい仲間、良い環境」
も逆効果となることがあるのです。

心身のストレスの総量を軽減する策によって、ストレスの少ない環境に執着して家から出なくなることはあります。
同一性を保持する傾向が強く出れば「今いる環境」がどんなにブラックでもそこに執着してしまいます。

あ、多動があれば、あとは野となれ山となれで、ポンと飛び出ることできますけどね。ある種の記憶力思考力凸の発達障害児の脳では、そうはいかないです。人に迷惑かけてはいけないと長年聞き続けて原理原則化していますし、達成されないタスクをしつこくリマインドすることによりメモリは圧迫されています。
ある日、メタ認知機能が実装されたとたん、積年のアーカイブが猛毒化します。自分を責める言葉が津波となって、襲ってくるのです。

  1. 高IQの育成戦略は、フェイズにもよりますが、お子さんと共有して試行錯誤することが大切だと思っています。本人も納得したいのです!親御さんだけが納得していても、うまくいきません。

「人生に大事なことのほとんどには答えがないらしい…」
「親(私)の気持ちは複雑でエゴイスティック。すまん。かわいい我が子のためって言っても、ぶっちゃけ自分の老後資金食い潰されるのはかなわんから厳しいことも言うとる。自分自身、気持ちを掌握しきれていない」 
「穏やかに安定してほしいと同時に、逆境や波を乗り越えてほしくもある」
子供からすると親心がそもそも整合性が取れない謎の感情です。こういった生々しく不都合な真実が存在するよ、今理解しようとしても無理なのでドントシンク、ジャストフィールよ、的なアプローチでいいと思ってます。

「今わかろうとするとバグるぞ」
この言葉は逆張り勢はよく考えてかえって早く気付きに到達することもありますし、ゆっくり考える必要がある子は焦らなくていいんだと安心できますので、わりと汎用性が高い言葉です。

親御さんが、綺麗事や思考の結果だけでなく、意図や葛藤など思考プロセスをお子さんに伝えること、考えてもしょーがないことはあるから人事を尽くして天命を待つとか、エイヤッで決めちゃったこととの折り合いの付け方、サンクコストの払い方、といった経験値は、高IQの子にとって大きな財産になります。

お子さん自身が人生のハンドルを握るときにも、発達障害、高IQ、ギフテッド、2Eなどの人とチームを作る立場になったときにも、大変役に立ちます。人生のテーマにもなりうることで、すぐにはうまく行かなくて当然です。子供も大人も、修業中なのです。


続きます。下の、新しい記事、というところか、月別アーカイブからご覧ください。

*1:抱き締めて云々とかマジクソ。子がハグ好きだからと、イライラしたときにハグで癒やしてあげるのは、好ましくない行動を減らすという目的においては誤学習の宝庫だよ。 その人のことを好きでいさせる効果やハグ好きでいさせる効果はあるから、結果的にプラスに働くことはあるけどね。 「逆に抱き締められるのが嫌な子なら、イライラしてるときに抱きしめたらイライラしなくなりますか」 「羽交い締めされるのは嫌いなので、好ましくない行動をとったら羽交い締めすればやめますか」 って?いやーーーそこ結びつくかなぁ?あんまり結びつかないよね、単に嫌われるよ。分の悪い賭けだよね。 やるなら、ヒィィィ殺される!!!!ってぐらいボコボコにするほうがいいんでは(おい)。

*2:世界は安全だとか、自分の人権はありのままで守られるべきだとか誤解したまま18を迎えた子供は不幸だなとおばちゃんは思います。それこそ親の子育て大失敗だよ。後ろ盾も何もない丸腰ガンジー状態で生きていくことになりますからね。大失敗からしか学べないものもありますけどね。

【質問箱24-1】小1男子、高IQ、イライラ激しい、感情コントロール、しんどい【アドバイス】


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ご質問

はじめまして。

少し前にポッドキャストを知り、首がもげそうなほど頷きながら拝聴しております。

小一、高IQ、逆張りタイプ。 イライラ表出がかなり激しい(他人の前ではほぼなく、基本的に親の前のみの) 息子の相談です。

以前からゲームに負けた時や、場面を切り替えるべき時に感情コントロールができず、瞬時に沸騰し、私や夫のせい、何かのせいなどにして強い言葉をぶつけてきます。

『嫌だ、悔しい、 悲しい』 の気持ちは理解できるのですが、負ける度に当たりが強くなるので、受け止める側もとてもしんどいです。。

(私自身が、そういった状況から気持ちを通常モードに切り替えるのが苦手なのもあり、できるだけ家族で楽しく過ごしたいという気持ちが強すぎるのかもしれません。 )

気持ちを切り替えるためにどのような声かけが響くのか、また親側の心の持ちようなど、アドバイスをいただけたら嬉しいです。

お答え

ご質問あざす!ポッドキャスト褒めてくださり嬉しいです〜うちのポッドキャスト、地味なりにコアなファンいてくださるんだけど、なんたって地味なんよ(笑)*1


ふーむ……まあよくあるよね。とりあえず、親御さん自身に、主観ベースだから度合いをはかりにくい…という認識があるのは吉。それゆえに悩ましいけど。

ええとね、すでにいろいろ試されてると思います、でもうまくいかないでしょ。

そらそうよ。

高IQを叩き出す大脳ってのはね、分をわきまえてくれませんのよ。

興味に従って活性化して、加速度的に肥大するの。雪だるま式に…加速度的に…記憶を蓄え、そんじょそこらの大人の知識量をぽーんと超えていきますよね。

大脳を制御するのに都合ええ前頭葉とかいう、なんかよーわからんもんが、ええ具合に成長してくれたらええねんけどな、脳の発達には、その時時のボトルネックがあって、大脳と前頭葉と脳幹と…なんやかんやで陣地争いをしてるんやと白ばあがゆうとったわ。知らんけど。

頭蓋骨の容量。血流やそれに含まれる酸素や栄養等。先に大脳が爆発的に育ってしまって出しゃばると、制御機能や本能を司る部位が活躍しにくくなる可能性、あるんじゃないかなぁ…擬似相関かもしれないけどね。


みんながみんなじゃないよたぶん。おばちゃん家系は、その可能性を想定するよってことね。知能を刺激する時間を何割か減らして、基礎体力作りやカルチャーショック体験、○玉縮み上がるような玉ヒュンな体験に時間を割いて、大脳の発達に待ったをかけるぐらいでも、バチは当たらない気がするのよ。頭蓋内容量が巨大で首もガッチリしてて太くて循環器呼吸器消化器も強い上に思考のクセがスマートな子ならともかく。


一般には脳育知育は幼児期が黄金期!!と言われるけど、高感度センサー持ちさん(高知能や高IQ含む)の場合はちっと特殊な気がする。ほっといても脳が爆発的に成長するんだもん。このタイプはレアオブレアだから、n数が少なくて、まともな専門家ほど考察しにくいので敢えておばちゃんは警鐘を鳴らしておきたい。

大脳発育の黄金期に大脳鍛えすぎた上に、安全で裕福な家でぬくぬくしてると、あと伸びしてくる自己コントロール力や統合や生殖を司る脳の活躍するフィールドを先に大脳が陣取り、バランスが崩れてしまうかもしれなくない?

そう、脳が育ちやすいということは、バランスが崩れやすいってことなのかもしれない。…ってここ頷くとこじゃないよ?何の根拠もない与太話だよ?WEBライターもマスコミ同様、ウケたい一心で迎合するか、ポジショントークするか、あとでほれみろ俺言ったもんね!と言いたくて逆張りをしてるかだからね?いちいち真に受けたらだめだよ、おばちゃん記事も
「へー、変わった考えの人もいるのね」
ぐらいで読んでおくれよ。


さて気を取り直して。

ガチヤバだから早くどうにかしたほうがいい状態か、個性の範疇の状態か、これだけの情報で見極めるわけにはいかないねぇ。ま、どんなに情報頂いても、未来について確実なことは言えないけど。

ただ…勝ちにこだわるメリットをなんらかの形で認知している間は、その子、そんなに変わらないかもね。
あるいは、勝ちの陶酔感が記憶に残っている限りは、戦い抜こうとするかもね。

発達オタク目線だと初歩的な話だけど、負けてイライラしたら勝つまでゲームさせてもらえた!→勝つまでやりたいときはイライラしよう!みたいな、誤学習をひきずってはいないだろうか。
誤学習は、記憶力のある発達障害において、最も基礎的な落とし穴ですわよ(記憶と言っても言語記憶とは限りません。お子さんによっては、一般的な育児方法により、赤ちゃんのときから誤学習を積み重ねています)。


それから、学校ストレスありますよね?
学校で問題起こしていないなら、バカのふりをすごく頑張ってるんじゃないかなぁ(おい)。
「いってらっしゃーい、がんばってバカのふりしてこいよー」
と送り出すぐらいでいいってもんよ(おい)。

いやマジで、交絡因子たくさんあるから絶対じゃないけど、小学校ってかなりインドだよ。教室はガンジス川。授業はカルチャーショック。歩いていけるインド…算数レベル低いインド…。
日本の常識は非常識。高い物持ってたら妬まれるし奪われる。物はなくなる、汚れる。真顔の嘘つきが氾濫。なぜかダンスばかり(あれにも意味あるんよ、ダンスはある種の世界共通言語で、なんなら野生動物も繁殖のために…って語り出すと長くなるから割愛)。
異文化体験は人格形成上必要なんだけど、とにかく疲れるんだよ。毎日がインド。おつかれさんだよ。
「みんな仲良く」
「されて嫌なことしない」
「人に迷惑かけちゃだめ」
「いい子にしてたらいいことある」
みたいな綺麗事を絶対的正義だと思い込まされて育ってる子にとっては、学校はインド。行って当たり前じゃないよ。
毎晩無事を祝って踊るべし(それはやりすぎか)。

勝ちにこだわることの功罪

勝ちにこだわる気持ちの話をしておきましょう。

人間関係にはマイナスになりやすいこともあるよね。勝ちたい人はたくさんいるから。勝ちにこだわる子は、いつも熾烈な競争に身を置くことになります。
だいたい、途中で面倒になるんです。でも、高IQで記憶が強い上、無双していた期間が長いとなると、ドパミン性の陶酔感を忘れないってのは当然あり得るわけです。

その過程で、面倒になって諦めて、勝ちにこだわるのをやめたり、こだわりの対象を勝利というドパミン的な興奮でなく
「より良いプレイや和やかムードなどがもたらすセロトニン的な幸福感満足感」
に関心をずらす子もいます。


ドパミンセロトニンも程度問題なんだけど、面白いのは「親の好み」が出るとこなのよ。
おばちゃんはドパミンに脳をドライブしてもらうのはよっっっぽどのハイスペックの努力家じゃないと持続可能性低いと思ってる。努力による改善が伴わないなら、単なる怒りっぽい面倒なガイジ止まりになりかねません。

勝ちへのこだわりを有益に使いこなせるようになるタイプではないと見切ったら、あの手この手で鎮静かけてセロトニン効果で、まったりおじゃる丸寄りにしていきたい派です。おばちゃんならね。

で、す、が。

個人主義ベースや、究極を目指すチームを率いる立場など、環境によってはそのこだわりが活かせることもあるんですよ。だから、ただ勝ちへのこだわりをなくせればいいってもんでもないんだよね。勝ちへのこだわりを、癇癪じゃなくて、頭脳で解決するようになったと思われる人におばちゃんはけっこう出会ったことがある。*2

勝ちにこだわるのも、その子の能力でありギフトなのかもしれない。おばちゃんはそこは気になるよ、誰でもおんなじようなほのぼの仙人にしたいわけじゃあないんだ。

とはいえ。

勝ちにこだわる力がギフト、みたいな子は、皆さんが思っているよりずーーーーーっと稀なんじゃないだろうか。

テキトーだけど、そうね、10000人に1人〜3人ぐらいと思っていいんじゃないかなぁ。
T.P.O.と自他の都合によって、本人都合で勝ちへのこだわりはボリューム調節できるようにしていきたい派。
もちろん、そう簡単なことではないです。おばちゃん的戦略はあるにはあるけど、絶対ではないよ。思考プロセスを一部分、簡単に書いておこうと思います。


続きます。
下記の新しい記事、という表示、または月別アーカイブの2022年11月からご覧ください。

*1:もしかして発達グレー研究所 byQOLT

*2:今ふと思い出したのは、リアルの知り合いで、灘、理Ⅲの中でも有名な天才であったKくん。部活で毎日のようにやるじゃんけんで3年ぐらい負け知らず。聞けば、乱数表?だかなんだかが頭の中に作られていて、それに基づいて何を出すか決めればあいこはあっても負けはしないと。なんだそりゃ。低次元で生きてるおばちゃんには意味わかんないけどすごい

【質問箱23】中高一貫校男子校高IQ中2男子、処理速度凹、無気力、凸がない欲もないのは育て方のせいですか

ご質問

いつもブログに助けられています。ありがとうございます。

中2の息子がADHDです。
中高一貫校に在籍しており、ミスや失くし物等 で困ることは多々ありますが、 男子校なので対人関係も気楽で、学校には楽しく通っております。

WISC-IV の結果だと高IQ (知覚推理、 WM凸、処理速度凹) の部類にいるようなのですが、Twitterで見かける高IQのお子様達のような能力や知的好奇心がありません。 なるべく生きやすいようにと思想や好みを偏らせないように育ててきたことが 息子の無気力につながった(能力や知的好奇心に蓋をした可能性があるのではと不安になりました。

息子はいろんな欲が少ないです。

凸を磨かないようにした弊害なのでしょうか? 息子を優秀にしたいわけではなく、 二次障害にならず、やっていける仕事を見つけられれば理 想だと考えています。

よろしくお願いいたします。


お答え

ご質問ありがとうございます!ポッドキャストでお答えしました!

読ませて頂いて思うのはさ、まず親御さんね、頑張って来たと思うの。おつかれさまでござったよ。大変だったと思うのよ。

でね、いきなりダメ出ししてごめんけどね、あなたTwitter検定50級から受け直したほうがいいかもしんない。

比較するなとは言わんが、Twitterのキラキラ勢とあなたのお子さんの共通点て所詮WISCの数字とか勉強の進度とか特定のことへのセンスぐらいでは?ほかなんかある?あるにしても、環境も親も違うしそもそも別の子よね。

WISCの処理速度もね、処理が遅いんじゃなくて、言語より高次元で高速思考してる子がいるの知ってる?
回路いくつか挟んで言動につなげる仕組み。そのせいで処理速度凹になってるケースと、そもそもおじゃる丸みたいな?まったり人生送れる処理速度ボコタイプは同じ数字でも違うよ。

妥当性どんだけある?裏庭で草をはむかわいいポニーと、絵本の中のユニコーンやペガサスを比べてため息つくのと、どのへんがどう違うと思う?


これ逆も然りでさ。Twitterでイキリ散らかしてる親子も、Twitter閉じたら、
「平凡に暮らさせてあげられてたらなぁ」
ってなってるんだよ。そっち系の想像力、意識して鍛えるといいと思うよ。


お子さんの幸せを真剣に考えてバランス考えて悩みながら、その時点で選びうるbetterな選択肢を選びながら関わっていらしたんでしょ。悩むってのはバランス取ってるってことだよ。そうやってなんとか勝ち取った平穏なんじゃないの?
それかあれか、平穏に飽きたのか?


未来のお子さんや、過去のあなたや、苦しんで悩んで考え抜いて到達したお考えに対しても、失礼なんじゃない?親御さんもお子さんも、今来た道をなんだかんだ肯定できないと、次のステップは踏めないよ。

知能高くてちょっと疲れっぽい、省エネ系ADHDを勝手に想像してるんですが、思春期の彼らは、この道でいいんだという確信がなきゃ、なかなか積極性なんて出さないよ。ローコスト主義の関サバ、関あじみたいなもんだもの。

よっぽどのーてんきか過剰適応じゃなきゃ、この道選択間違えたかも…って思いながら気力バリバリ突き進めるはずがない。


たぶんウィスクの数字がヤバかったんだよね。知能検査や心理検査の結果を冷静に扱うのは、素人さんには本当に難しいですよ。IQも偏差値同様で、大勢を把握するには便利だけど、家庭で手にするには、功罪ありすぎる。

国の宝、世界の至宝を、変だけどいいヤツにスケールダウンさせてしまったのではないか…みたいな思考力想像力由来の苦悩に押しつぶされる親子もったいなさすぎる。


人間いろいろ。まして高IQのADHD、多様性の極みみたいなもんです。ロールモデルなんてあってないようなもの。でも根拠なくいきますね。


そこにガッツはあるか

ガッツのない子は、ないよ。

ガッツがなくても、我が子の持ってるものを目一杯伸ばしてイキリ散らかしたいっていう親御さんの煩悩と、手間暇お金があれば、得意なことを伸ばすことはできたかもね、一定のとこまではね。

でも親の欲目は際限なくて、心のセーフティガードを外して効率よく上を目指させちゃう。

壊滅的にガッツがない子を、ガッツがないと生き残れないような雲の上のステージに置き去りにするみたいな教育、ホントひやひやするわ。

ギフテッドをちやほや尖らせていくのをもてはやすほうもどうなの?罪の意識を持とうよ。

あれやる人は、子供を殴る親を軽蔑する資格ないわ。それこそ虐待じゃん、ま、おばちゃんの思う虐待ってのも、本質的には結果の受け取り方次第なんだけどね*2


思春期は承認不足になりやすい

思春期、息子というものは、ママに対して失恋をすると思え。知らんけど。

絶対的であった母親の存在が、お子さんの心の中で急速に収縮します。

身の丈のシワクチャな、あるいはデブな、あるいは妙な若作りのおばさんに過ぎない存在に落ち着くんです。

ママラブが強いまま思春期に突入した男子は、自分をふった年増女に文句言われてるみたいな心境で母親の小言を聞くようになる…という話もあってだな。

満足行く承認を誰からももらえなくなった上に、自分をふった元カノ(年増)に毎日小言言われるんだぜ…エグいだろ……そりゃ無気力にもなるよな。(うちのゆる支援では、母子の失恋ダメージを緩和して失恋への免疫つけるために、かーちゃんはさっさと業務提携先ぐらいになれと言うとる)


よっぽど本能ぶっ壊れてるのでなければ、そうこうするうちに、ゆっくりめに性欲・異性獲得欲とか、承認欲求とか、所属欲求とか、養育欲求あたりが控えめに出てくる可能性が高い気がする、知らんけど。
それぐらいがちょうどいい。ガッツないだろうけど、それはママと相思相愛、幸せなお坊ちゃま育ち中のデフォルトの名残り成分であって、偏らせないようにしたのが直接の原因とまでは思わないな。

確かに、抑圧や怒りによって本領発揮するタイプの高IQ ADHDは多いから、そういう環境に置いておけばナニクソ魂が燃え盛っていたかもしれないね。でもそれ、親御さん、耐えきれた?ものすごい覚悟いるのよ、潰しが効かないから。おばちゃんには無理だ。

無気力という適応

別の見方も示しておこうかな。

実は、無気力というのも、一種の欲の表れなんです。

ノーリスク主義を貫きたい、安全でいたい、安全なここに留まりたい、という強い欲求を発揮している状態。それが無気力です。*3


病理があるとしたら

いいかんじにおさまりがついていく過程にあると言えなくもないだろうに、思えないのは、なんでなんだろうね。

モノになる可能性があるガチのバケモン高IQ ADHDなら、親が偏らせまいとしても到底収まりつかないんじゃないかねぇ。知らんけど。

そうでなければ、せっかく狙い通り、自己認識の肥大を防いであげたのに、うまくいったと思えてないということか。それ、ご子息以外に病理がある気が…。ウィスクとTwitterに毒されすぎとか、成功者にしてあげなくてはという強迫観念とか。

ひょっとしたら親御さんご自身の記憶や遺伝に由来する、無意識のね。

そもそも高IQなだけじゃないんでしょ。ADHDなんでしょ。誤診や、卒業済の診断ならともかく。
それってなんかしらの脳の働きが欠落なり遅延なり非効率化してるってことですよ、育ちに医療が関与せざるを得なかったってことではないのかね。
うまくいったかもしれないのにと思っちゃったのなんでなん。平和ボケしてない?


もちろんね、不安になるのもわかるよ。私がこの子の可能性を潰してしまったのでは、って思うようにできてるんだろうと思う、ベストを考え抜く親御さん特有の思考の保険なんだろう。

頭の中の不安ちゃんは、保険としてなかなかいい仕事するんだが、この件に関してはがんばりすぎだね。

親御さんのマインドセット

不安ちゃんは、保険屋さん。凸凹育児の大事な仲間です。不測の事態に陥ってもショックが最小限で済むようにと、いつも気を回してくれてます。いろんなときに、致命的な精神的ショックを防ぐ目的で、張り切ってくれます。不安ちゃんの仕事ぶりには感謝してください。

その上で、
「私をショックから守ってくれようとしてるんだよね、いつもありがとね〜でも今は大丈夫そうだから休んでて〜」
となだめてあげてね。

 

今後のご子息

あんまり先のことばかり考えると、地球滅亡の日の過ごし方を1日中考えてなんもできなくなるから、ほどほどにね。

実家よりも魅力的な友達や恋人ができたり、実家が厳しかったり山奥だったり、やりたいことがリゾートスポーツのインストラクターだったりして、親離れのメリットが、自宅警備員としてタダメシ喰らいをするメリットを上回るとき、それなりに大海原に漕ぎ出すかもしれない。

ノーリスク志向が強ければ子供部屋おじさん。養育欲求を何かで満たして、破壊欲求の発露先を間違わなければ(薪割りとか食材捌くとかはいいよ)、それなりに幸せに生きていく。


親の亡き後?そうだね、人との関わりに感謝しつつ維持や復旧ができるようにはしておきたいのは山々だよね。

とはいえ、我が子がおっさんおばはんになったあとの環境をコントロールできると思ってる親御さんもいるだろうけど、そりゃあなた傲慢よ。
そんな傲慢な母親(かどうかわからんが)を持つ男と結婚とか、嫌じゃない…?
手塩にかけて完璧に仕上げた優良男子ザマス!みたいな姑、嫌だし、だいたいそういう男子は嫁に嫌われる。

我が家のかわいいぼくちゃんとして手懐けて、一生面倒見てあげる前提ならそれでいいけど、なんかこう、自分好みに育てたくせにやっぱ気に入らないぞ…というのは、どうなんだ。ピコピコハンマーモノだよなぁ。

歯がゆいのはわかる、我が子への思いやりも多分にあるからこそなんだけど、育てた者としての傲慢さや、ないものねだりマインドも、認識した方がいいんじゃないか。


発達障害界隈にとって、必要に迫られるって、とっても大事なスイッチなのよ。脳がでかいとスイッチと言ってもパチンってやつじゃなくて、王家の谷の秘密のトビラ的な、ゴゴゴゴゴーーーズズーーン。みたいなやつね。

その大事なカギを葬り去るのは、理解ありすぎて理想郷化してしまった実家なのよ。

かわいいからさ息子。シャングリ・ラ香港 じゃなかった、竜宮城みたいな暮らしを、提供してしまうわけよ、お金と理解のある親は。
*4

ご子息の未来は、誰にもわからないです。これから性欲由来で貪欲になるかもしれないし。マジわからん。
彼女できたらすごいキラキラし始めるとかはよくある。ただしこだわりを持ち越した高IQ発達障害風味の子は、熱愛からの予期せぬ失恋が鬼門。
これ詳しく書くと、息子の恋愛に中途半端に口出しかねないからやめとく。

親御さんの思考のクセ

親御さん、今の不安が可愛く見えるレベルのエグい未来だったかもしれないとは思ってないのか、書いてないのか、わかんないけど。

今の状態が、蓋をしちゃった育成失敗例ケースかもとするなら、今の状態が育成成功例ケースかもしれないという仮定も成り立つのではとおばちゃんはうっすら思うんだけど。
そうは思ってないとしたら、その理由を聞きたい。


理由もなく、現況はいまいちなほうのパラレルワールドかもという発想しかないのだとすると、思考、偏ってるよ(みんなもっと思考偏ってるけど、実行機能がそんなにない人なら、なんだかんだバランス収まるようにできている。実行力強すぎて思考も強すぎるなら、偏りが偏りを呼びまくるよ)。確認してみて。

今向かってるのがイマイチな未来なのか、マシな未来なのかは、誰にもわからないはずよ。おばちゃんにもわからん。未来を知りたいなら、アカシックレコードが読める謎の占い師のとこ行きやがれ。

ADHDは神童ではなく、ポンコツの割にはマシな子説

ADHDっていうのが誤診でないなら、パーフェクトヒューマンになるタマじゃないと思っておいたほうが無難。

どんなにIQ高くても、危うさを持ち歩くんだよ。知能では衝動を止められないから。

好きを貫いてキラキラしてる高IQ児とTwitterとかブログでイキり散らかしてる保護者も、5年10年追いかけてると、予後あんまり思わしくないことがわかってくるんじゃない。あ、いや、追いかけなくていいよ、5 10年はメンタル削られるから。

凸を磨くということ

ちなみに、おばちゃんは凸を磨くことにコストを割きすぎるなと言うことはあります。

けど、それは他者に勝つ目的とか優越のために大事な時間とエネルギーを全ツッパすんなよ!ということです。
得意なことに触れさせるなってことでは全然ないですよ*5


自分を癒やす程度の好きなこととか、運動レクリエーションを楽しめる程度の体力づくりは、させてあげてほしいなと思ってます。勉強も、ちょっと先取りぐらいではなく完全に卓越させて、神の視点で先生を慈しむぐらいまで行かせると、別の発達課題に取り組みやすいね。


数値化やランク付けされにくく、本人にもできないようなことも、とても良いでしょう。家庭料理、釣り、キャンプ、プラモ、旅程作り等もいいかもね。

大したことないっていう身の丈を知らされても冷静でいられる程度の活動なら、どんどんやればいいと思います。
好きなことがないと、時間の使い方が恐ろしく下手になるし、お金を稼ぎたいとも思わなくなるしね。無気力なのは、必要性に迫られてないってことでもあるよ。

生の火や高所・落下体験など、本能を呼び起こすあれこれ、無気力な子や、とっちらかりな子に調整かけたいとき、よく使います。ご子息にはわりとおすすめかも。

ただし、本能偏差値30とかでとっちらかりまくってるとドパミン依存を強化してしまって逆効果なかんじもするので、詳しくはご相談ください。


地味に人気、ポッドキャスト

ポッドキャストでも毒を吐いています。おばちゃんこんなに怖い人ではないけどこれは、なんかさ、ご子息、親御さんの当初の望み通りにほのぼの育ってるぽいのにもったいないなぁと思っちゃった。親御さんご自身がささやかな幸せを感じるのが苦手なのでは?

親御さん、子育て大変だったろうなと思うし、よく頑張ったなぁとねぎらいたいけど、なんか不満なのだろうね、気持ちはわかるよ、キラッキラに輝いてキンキンに尖ってた少年の凸を、適応のために削った後ろめたさみたいな感覚、私もわかる。

でも凸は削ったというより、守刀、懐刀になっていくんじゃないかなと思ってますよ。もちろんね、すぐには受け入れられないと思う。親御さんだけでなくて、お子さんもそうかもね。それならなおさら、しょーもないことに幸せや楽しみをみつけてね。おばちゃん、さっきポテチ食べた指なめたらおいしかった…幸せよ。

突き詰めるのも人生の喜びであり楽しみ方。いろ〜んな考え方や価値観をコレクションカードみたいに集めて、ひとつひとつの良さを感じ取るのも、人生の楽しみ方。

まあなんだ、ご子息、歯がゆいなりに、イイやつなんじゃない?そこが今ほどよい収まりどころなんじゃないの?

え、それでもやっぱり不服?じゃ、遺伝子ガチャSSR引くまで産み続けてその子達をバトルロイヤルさせてみな!5人も産めば、1人はあなたの思い描く羽ばたきすぎるペガサスになるよ。リアルで会えなくなるけどね。


きついこと言ってごめんなさい、ゆるさなくていいけど、おばちゃんはナイス育成だったと思うので、ピコピコハンマーで目を覚ましてほしかった。無気力って、ちょっとととのえたら柔軟さという魅力になるし。てか欲深い男より無欲男子が断然好きだわ(匂わせ告白)。


グッドラック!

*1:視聴注意…。ポッドキャストの類のアプリを入れていない場合はどのリンクから聴いてもOK〜※スマホTwitter経由でアプリなしだと、バックグラウンド再生(Twitter見ながら再生とか)ができないみたいなので、その場合はGoogleとかに直接リンクを貼ってね検索してね。。 Spotify https://open.spotify.com/episode/1TnU709ehxPGWzPjpKKuoR?si=OSfIvq9uRTK7S8suTkjgJw&utm_source=copy-line GooglePodcast https://podcasts.google.com/feed/aHR0cHM6Ly9hbmNob3IuZm0vcy82ZTc0MDhkOC9wb2RjYXN0L3Jzcw/episode/MzFjMjA5NmItNjMwYy00MjM5LWFlYjEtMjliNTU5OWUyZDQ2?ep=14 anchorで聴く https://anchor.fm/qoltu3082u3057u304bu3057u3066u767au9054u30b0u30ecu30fcu7814u7a76u6240/episodes/23IQ2-e1pniel

*2:殴る蹴る、あっていい派。ただしメリットは完全にお子さんのものにならないといけない。たとえば学歴のために殴る蹴るはおすすめできない。勉強や生活習慣は幸福度に直結しないからね。衝動的な発言を避ける力は幸福度に直結するから、バチボコにしてトラウマレベルで身に付けさせてあげられるフェイズのうちにぜひご相談ください

*3:私見しか常に言わないけど、実家が裕福で、しかも理解がある場合は、欲がなさすぎるか強すぎるかの極端な子が目立つ。性欲もいろいろで、承認欲求の一環、ドパミン欲の一環で性欲ぶち上がってる高IQも、異性獲得&繁殖欲という生存本能のベースがロスカットされてる高IQもたくさんいるよ。フツーの脳みその人のことはよくわかんないから、印象論の与太話として聞いてね。 いずれにせよ極端なのよ。適応してる人はそんなことないと思うが、適応に困難を示してる発達障害男子はサル系とかロボット系とかがいるわけじゃん。サル系なら実家を出たがるわけだが、ロボットタイプは、現状を捨てて超えていくためのメリットがなければ出ていくための活動を避けるよ、損益の計算ができるからね。理解がない実家の場合は、抑圧から自由への逃走みたいな欲求が出やすくなって、これこれで自然の摂理なんだろうけど、経済力ある実家だと逃走も難しいんだよな。高い衣食住レベル、理解ある実家、これらの呪縛はものすごーーーく強いよ。

*4:20代後半すぎて若さが衰えてきたあたりから親御さんも歳を取り、先行き不安になってくる。 「いいかげんに、働きなさいよ!」 長い時間かけて人間らしい心を育んで、優しく包んでいてくれた実家に突然牙を剥かれて裏切られたように感じてしまう悲しき王侯貴族ロボットくんやいかに。 やがて決裂。でも実家を出て自立するのに必要な経済力はつけてない。だからぶんむくれながら実家の一角を占拠。 こんなクソ息子は戦前から掃いて捨てるほどいたのよ。田舎の若者だと、都会に出たいみたいなモチベーションも湧きうるけど、都会から田舎へIターンするほどのバイタリティはないってなって、バグり散らかす的な

*5:うちの子たちだって得意なことさせましたし、応援もしてますよ。 ただし、実を言うと、本当に本当に脳の特性から得意であろうことは、敢えてほどほどにして、代わりに、運動好きになるよう洗脳して、チームプレイに誘導しました。 その特定の分野で卓越させることを目的とはしていません。好きなことを通じて、壁にぶつかったときの振る舞いとか、人との繋がり方や離れ方や復旧の仕方みたいなものとか、カルチャーショックと克服とか、パフォーマンスに波があることとか、時の運とか………つまり人生経験をたくさん積ませるために、好きなことというチャンネルを利用してきました。そう、おばちゃん鬼畜だから、我が子で人体実験してるの。

【質問箱22-8】高IQのASD女子と目と体の話【おばちゃんからこじらせASDの女の子たちへ】

correct-me.hatenablog.com

大事な話なので、繰り返します、一発で覚えてくれた方にはくどくてごめんなさい。

ASDあるあるトラウマ「どこ見たらいいの問題」

目の使い方に特徴のある発達障害の方は多いです。

ASDは、目の動きが固い印象があります。特に、眼鏡をかけているとき。視覚優位の子の中には、目を動かすと酔うから動かしたくないという子もいます。

見つめても気持ち悪いと言われにくいせいなのか、目を合わせるのを怖がりまくる女子の数は男子の場合ほどは多くありません。ただ、目を合わせるのはできても、目を合わせたりそらしたりの自然な目配りに慣れている子はわずかで、真っ黒い瞳でギュッと見つめてしまって相手を困惑させてしまうこともあるようです。

目をやんわり合わせるという儀式

相手に違和感を感じさせずに目をやんわり合わせられるかどうか。群れる文化の中では、仲間に入れても大丈夫かどうかを見分ける判断材料になっているようです。

ASDの目の動きの固さ、本能強い子にナメられがちなのです。弱みに付け込まれて狙われる、みたいなこともあります*1

特に、叱られているとき相手の目を見るのは難しいです。感情センサーがよっぽど雑じゃないと無理だろうと思います(おやっ、大多数の人類を敵に回した気がする…)。

ASDみがある子は、目を見ろ!と命令されて、自己を鼓舞して言われた通り相手の目を見たとしても、睨むな!と怒られてしまったり、なんだ本当はそんなに怒ってないなと読み取ってナメてしまって怒られたり、相手の目がマジで怖くて謝罪や改善声明を出すどころではなかったり…

「人の話を聞くときは、相手の目を見て」
にいい思い出なんか一つとありやしません。…あ、あるある大合唱!どうもありがとうございます!
 
ロクな記憶が伴ってないんじゃないかと思う。
よっぽど心を削ってうまくやってきた子とか、あざとさ特化型ASD子以外は。


目を見ろ!
なんて叱られ方だと、意味が分からないのよ。なんで目を見る必要があるのかと聞きたくなるわよ。
まして
「なぜやったんだ!言え! 目をそらすな!!!」
と言われたら、いや私もなんでこんなに詰められてるのか理由を知りたいわ、ってなるわよ。

しかし、問えば火に油を注ぎ、逆鱗に触れ、雷が落ちる。女子は、アホ男子のやらかしを見て育つから、そういう地雷はあまり踏み抜かない。だからこそ自分の文化と異文化とをごちゃ混ぜにして身につけて、自分のルーツや軸足の置所がわからず混乱してしまう子もいるみたい。


なんとか目を見て話を聞くことの合理性を見出そうとして、なぜだ、なぜだ、解せぬ、という正解のない思考に振り回され、脳は酸欠、脳の酸欠を防ぐためのあくび機能まで発動。


目から感情を読み取るセンサーの強い子も、目を見ることがしんどいです。

すごい辛酸なめてる子でないと

…ここであくびしたら殺される、あくびは脳の酸欠、脳の疲労の表れだから、話を真に受けないようにして、目つきをコントロールしよう。そのためには半分意識を飛ばして脳のキャパを守ろう…

…というライフハックにはなかなかたどり着けないんだよね。*2

目を見ないと異端者扱い

「相手の目を見なさい」
と言った大人は、
「こいつ苦手」
迅速判定されるわよ、記憶に基づいてね。


その子によりますが、支援するなら、きれいごととか社会通念を押し付けてきたことを謝るといいよ。
そして、目を見て話せ!さもなくば異端者とする、という文化のことや、そんなものがある理由の仮説を考えさせると吉かもね。


脳がデカい皆さんは元々ね、センサー&メモリが普通以下な大多数の人とは仕組みが違うんだよ。どっちがいい悪いではなくてね。


話者の目を見たり見なかったりをして、体はじっとしつつもタイミングよく頷いたり謝ったりしていないと、話の内容に意識を向けられないらしい、または、話者の話は聞かずに、聞いたふり反省したフリに全力投球しているのがほとんどの人。だからこの意味不明なお作法が生まれたという説………こういうことをネタとして知らせておきたい。チャラっとね。


お作法とか部族の装いというのは、意味や汎用性がなければないほど、ポリシーが異なる者の侵入を防ぐのに有効な合言葉というか、合ジェスチャーになるんだよね。

叱責されてるときに
・話者やその目を見る
・体を動かさない
こういう子の中には、知能かなんらかの非認知能力が異常に高く、コミュニティを脅かす反乱分子足り得る有益な存在がいます(頭悪く見えても、実は内にぎっしり秘めている)。


ASDがなぜ反乱分子たり得るかって?是々非々だからだよ。

道義上正しいと思う方に引き寄せられる子が多いのよ。それってつまり、寝返りかねない存在なのよ(あ、義理に重きをおいていると異常に義理堅くなるけどね)。

よって、是々非々の子を排除するDNAを持つ者がたくさんいるんです。でも大丈夫、心におばちゃんを住まわせておけばね。

話している人を見てはいけないとき

目を見て話せ、目を見て話を聞けと言われる場面は限られています。ところが、ASDみがあると、原理原則化して、別の場面にも適用してしまうことがあります。

整列時、着席時、テスト中、歩行中などなどでは、話者を見て話を聞こうとするとしばしば叱られが発生します。

どうやら、目を見て話を聞くことよりも、列を乱さないことが優先されやすい場面もあるようです。

目を見ようとしないほーがいいってこともあるらしいけど、揺らぐものすべて理解しようったって無理なので、わかんないなりに気をつけつつ割り切っとくとよさげらしい、ってことも気付かせたり、言い添えたりしておきたいところです。


目という情報発信源から出る信号は、ゆらぎが大きいです。ASDはリラックスしていないときにはゆらぎに惹かれにくい傾向があると言います(あ、信じた?おばちゃんが今思い付きで書いてるだけだよ?いちいち真に受けんなよ!ネタだよネタ!)。

ASDの中には、感情や雰囲気などの受信機が生まれたときからぶっ壊れてるとされる人もいますが、当所の観測では、センサーや実行機能が出来上がるまでに、通常より複雑な製造工程や調整期間が必要で、ひたすら納期が遅いだけということもあるようです(おそらく総量は多くなく、うちにはたまたまそういう人が集まりやすいんだと思います)。

しかし。

かといって悠長に待ち、ってのも無理な話。

その間にもまわりの子どもたちは成長を見せ、一人前になっていく中で、高IQのASDのお子さんの成長を阻害する最大因子【気後れ】をどうするべきかって、マジで丁寧に個別に扱わねばならない。気後れ問題は後ほどまた書きます。



受信できる情報量が多すぎて受け取りきれないせいか、目そのそのものへの抵抗感があるせいなのかなどは個人差があります。

いずれにしても、こいつの言うことはおもろいぞ、役に立つぞ、聞かないのはもったいないぞ、と思ってもらえたら、キラキラお目々で見つめてくれる瞬間が生まれることがあるようです。
目を見て話を聞くということについての指導はそれからなんだよな…と思います。

気後れ問題

多くの方が、発達障害児の発達が一部遅れるときの気後れについてあまり話題にしない。自己肯定感がない、と表現する向きはあるね。

自己肯定感が低い(ここでは自信がないの意味。おばちゃんの言葉のイメージだと、呼吸が苦しい、疲れやすい、便秘や下痢、アレルギー、感覚過敏、などで地味に感覚を酷使していることに気付かず、治療やケアをできていない状態のほうが、自己肯定感低いって状態に近いと思ってるんだけど)のはお勉強のせいだと考えたり、お勉強さえどうにかなれば、どうにかなるだろうと考えて躍起になる。

確かに短期的にはそれでいい。しかし、お勉強の内容自体は人生の幸福度を支えるには脆弱すぎることも教えてあげないといけない。なんなら、良くて30%ぐらい。特に実家にお金があると、勉強してたとえ高収入を得ても虚しがるんだよ。

晴れた日はいいお天気だなと思い、雨の日はダムに新鮮な水が湛えられることを喜び、パートナーはじめ、まわりの人とお互いに無理なく支えられ合うことに感謝するとか、健康な生活習慣とか、つまらないことやりたくないことでも取り組んでナンダカンダやっつけたらスッキリ、みたいな、手元にあるささやかな幸せを集めて愛でるくせは、親子べったり時代に植え付けると、何かの拍子に思い出してその子の人生に役立つだろうなと思う。


ASDの学力は危ういところがあって、いい先生からしか学びたがらないとか、好みの教材以外は無理とかあり、転落もザラにある。なんとなく真ん中を保つ機能みたいなものもついていないし、いつまでも高知能かというとちと違うんだよ。学力は、社会性を身につけたときにトレードオフになることもあるしね。

お勉強できる子の発達気後れ対策として、お勉強は有効に見える。確かに最初のハードルを超えるには、学力面の気後れは緩和してあげたいのもわかるし、だから算数障害や書字障害のお子さんとか聞くとおばちゃん張り切る。

ただ、お勉強のアドバンテージってのは賞味期限が短いので、コスト割きすぎるとがっかり感半端ないよ。

知能凸のASDの子を中学受験のいい先生に出会わせると貪るように知識を蓄えまくります。小規模塾だとすぐに天狗になり、優越感依存を起こしやすいです。
私立や国公立難関中学入学後3年半以内に9割のASDが優越感終焉を迎えるであろうことは頭の片隅に置いて、むしろ優越感からの離脱や、優越感を持つならノブレス・オブリージュとセットで持たねばならぬこと、劣等感を蒸留すると謙虚さになるらしいなんて話は、ニュートン算やダイヤグラムより長い目で見て大事だと思うわ。


まとめ

ASDの子に限らず、人間は、よっぽど訓練しないと自分の立ち位置からしかものを見ないし、語れないようにできています。特に群れを作り、維持することで生き延びてきた遺伝子の乗り物たちにとっては、意思統一のし易い単一価値観に帰依するマインドが必要だったんでしょうね。

典型発達(いわゆる定型の人)は、共感力が高いとか言われますね。そんなことは断じてないです。単にお仲間が多いだけです。

相手の立場になって考えなくても、まわりと利害がぶつかりにくいようプログラムされているので、真に相手の立場に立ってものを考えることはむしろ超絶不得意よ。
思考や記憶を強制終了して、その場しのぎで浅くつながりコミュニティを作り身を守るのがうまいだけ。


自分の日本語を普通の日本語だと勘違いしているフシがあるのはどちらも同じ。

ただし、相手に伝わらないときの受け取り方は分かれます。お仲間が多い人は
「相手の理解力が低いんだ」
と思い込み、お仲間の少ない人は
「私が悪いのかなぁ、なんで伝わらないのかなぁ」
とモヤモヤしますが、伝える工夫のチャンスをも得るのです。

様々な経緯から、申し訳ないけど、言語に繊細なASDほど言葉を的確に使える人はいないんだよとお伝えするほかないなと思いますし。先生含めてもいないと思ったほうがいいし、ほとんどの人はASDほど真剣に、相手の気持ちを考えたこともないのです。
定型いいなー羨ましいなぁと思われたかもしれません。確かにね。おばちゃんもね、若い頃しんどかったし、周りにも盛大に迷惑かけた。でもその経験のおかげで、たくさんの人を笑顔にできたなぁと思います。我が子達も、私の黒歴史情報から様々なことを学び取っています。

ASD女子は、年を取ると、思考凸、記憶凸、感覚(感受性、感性含む)凸などなどが自然な衰えを見せて、ほどよく収まりが付き、相手の気持ちを考えたり割り切ったりした経験から、いろいろ吹っ切れた達観者になれます。加齢はネガティブなものとされがちですが、ASDだと加齢にもなかなか楽しみがあります。これは稀有なギフトです。

なるべく長く長く趣味を楽しむ目や体力を保持できるようにしたいものですよね。苦手であっても目や体を動かしたり、姿勢を正したりしておきましょう。



高IQのASD女子は支援が難しい難しいと言われます。それはおそらく、一元的な正しさを刷り込まれやすいからだろうと思っています。
一元的な正しさに絡め取られて凝り固まっても、ASDならロジックでほどいてあげることが可能っぽいです。

学力よりも、記憶の解毒とアップデート、受け取り方、目の動かし方、表情の作り方、荒ぶる思考をユーモア・幸せサーチ・割り切り・バランス調節・感覚センサー調節・言葉選びに活用する方法、縁の切り方・つなぎ方・維持の仕方、大切な人を大切にする方法、身だしなみ、このあたりを異文化として学ぶと、あっさり幸せになれます。
そんな簡単に言うなよ、と思われたでしょうか。うん。簡単ではないよね。それは認める。


まず異文化になぜ行かねばならぬのかってとこからだから、お嬢様には、何を今更、と言われるかもしれない。

でも難関中学受験に注ぐ熱の1割もあれば、かなりハイレベルまで行くし、その後ずーっとラクだよ、定型は中学以降あまり成長しないから(おい!)、定型文化のお作法は一度覚えたら、マイナーアレンジでまあまあ使えるっぽいわよ。


んー、こんなかんじかなぁ…なんか言い忘れてる気がする…あー恋愛のことには少しだけ触れたけど、親離れ子離れ、子育て、介護や老後のこと、書いてないや。このへんは経済力や立地、間取り含めて個別性が高いのであしからず。

お嬢様さえよければ直接おばちゃんトークさせていただくのもありだよ。


長くなりました。ごめん、老眼で読み直ししてないので構成も校正も無茶苦茶… 
BBAの繰り言読んでくださりありがとうございます。皆様のご家庭にも育てにくいお子さんがいらっしゃるのでしょうか。
親子もまわりもwin‐win-winになる、持続可能な健全育成、心より応援しています。

極上にこじらせたASD脳だと
「は?応援って何(怒)」って思うかも。カモン!おばちゃんが!受け止める!
質問箱22-1〜8、高IQ、不登校ASD女子 って一般には支援三重苦とされてるけど、当事者ちゃんも多少は頷けるとこあったんじゃないかなと思います。
このシリーズ記事、深遠で複雑で繊細な心を持て余している子や親御さんに届いてほしいな。そして、
「私はここが違う」
ってダメ出ししてほしいなと思います。


読んでくださりありがとうございました!

お悩みの方、おばちゃんトーク(ご相談)承っております。
correct-me.hatenablog.com

*1:目がキョロキョロしてる人はADHD寄りで誘いに乗りやすく、目の動きが固い人は軽率さはないけどはまればどっぷりってとこない?いやなんもわからんけど

*2:我が家では、 「相手が怒っているとき、態度悪いとみなされると殺されかける」 という実感を植え付けて(やり方は想像におまかせするわ)、目を見る練習と目つきの練習を、機嫌のいいときにたくさんさせました。 目つきよくできたら、犬の躾のようにすかさずほめて、小さなおやつを口にぶち込んだわ。これ小さい頃からやるとやらないでは大違いなんじゃないかな、とひそかに思っています。 辛酸を嘗めながらゆる支援を受けて、叱られ上手反省上手にもなりました。心のゆとりを確保できるようになり、こいつはやべーぞ…関わらないようにしよう、って思わせる目つきも自由自在

【質問箱22-7】高IQのASD女子のサバイバル〜生きにくさ改善のコツは定型のお作法と言葉を異文化として学ぶことと失敗を愉快に繰り返すこと【ASD高IQ女子】

高IQのASD女子のサバイバル。
生きにくさ改善のコツは、マインドセット
定型の綺麗事を含む言語とお作法を異言語・異文化として学ぶこと。
失敗を面白おかしく繰り返しながら学ぶこと。

具体的には、
「次失敗しなければ大丈夫だから」
「次間違えなければいいのよ」
みたいな綺麗事で、記憶に呪いをかけないこと。絶対またやるんだからさぁ。
次はやるなよとか言われたら動けなくなる日が来るわけよ。

呪いをかけちゃった?

なら、土下座して謝れ…というとちょっと極端だけど、なにかインパクトある意識転換の機会を作ったほうがいいんじゃないかな。

「失敗してもいいのよ、次、気を付ければ」
みたいな一般向けの教育ワードは、毒にも薬にもなるんです。ASDにとっては軒並みメンタルに刺さりすぎるか、スルーされすぎて過剰なスルーぐせがつくか無意味かのどれか。刺さりすぎる場合は、記憶力があると、よっぽどたくましい子を除けば、必ず解毒が必要になります。

高IQで記憶凸なら、綺麗事教育で盛大にモヤつかせた上でも、解毒できなくはないですし、解毒がうまくいけば飄々とした、あるいはしなやかにして温雅な最強人類爆誕です。時間も手間暇もかかります。


子供の心の傷を最小限におさえたいなら、学校や園や一般社会にぶち込む前に、規則よりも暗黙の了解(裏ルール)が強めという説があるらしい、調査してきてお家で教えて、みたいにお願いしておくべきだと思っています。

たとえば先生は時間を守りなさいと言うけど先生は守らなくていいとか、同じことをやらかしても怒られの度合いは期待や注目度に応じて異なるとかの、裏ルールをいくつか想定して、
「実際どうか、探ってきて」
みたいに言うわけです。
その理由は、お子さんにはなかなか思いつきません。再登校するなら、予め「学校は子供のためのものではなく経済回すためのもの説」を言っておいたほうがよいです。


再登校後すぐにお友達とわいわいやるのを思い描いてしまうと、再登校が難しくなったり、再登校してもガッカリして二度と行かないみたいなことがあると思いますが、こういった潜入調査員的なミッションがあると、過度な孤独感を感じず、落ち着いて、穏やかにつながれそうな子を見つけやすくなります。

もちろん再登校前にはたくさんの課題があります。

勉強?いいえ、それへのこだわりはほぐしてあげねばならないと思います。なぜから、不登校から再登校をと考えるお子さんは、たいてい、真ん中より上の成績で戻りたいと考えがちです。ところが登校してクソみたいな授業聞いてたけど成績いまいちな子達からすると、真ん中へんにいきなり出戻ってくるというのはどうもスッキリしないもの。結婚して実家を出たはずの繊細な長女が出戻ってきたみたいな複雑な気持ちを持たれても、やむを得ないと思います(クラスの雰囲気やお子さんのキャラによって全然違うこともあるので、詳しくはご相談ください)。成績はむしろ末席、でもいじめられるほどキャラが立ってない、それぐらいが潜入調査にもちょうどいいかも?知らんけど。

とりあえず再登校というと勉強面で気後れしたり、イキったりするけど、そこじゃないんだよなぁ。うん、そこにこだわる気持ちもわかるんだけどね。 

おそらく本当に必要なのは、先生や同級生、先輩後輩、家族、そういう人との関わり方。さらに言えば、これまでも何回か言及してきた、まわりの人々のの言動の受け取り方の調整なんだよね。



友達との関係を深める方法、浅める方法、離れ方、離れられ方のノウハウと、力の抜き方なんかにも触れさせておきます。
「あなたのような小難しい子には先達がいて、失敗リカバリー方法の知見は蓄積されている。」
「かといって失敗しないまま大きくなるとどうなるか…失敗が足りてない心が脆くなるっぽいから、失敗したらチャンスと思ってみて」
みたいにね。

ASDの子は、社会通念に異常に振り回されがち。その分、苦労もあります。
けど、記憶と思考の解毒方法と仲間づくりとか、異文化攻略法さえ覚えたら、苦労した分メンタルしなやかさんになれます。
一般の群れ属性の人達よりもずっと人間出来てるなぁ、って人になる素質があるんですよ。なんなら、一肌脱いだるわって人も現れてくれるもんなんだよ。*1


「必ず何回か失敗しなさい、必ず何回か間違えなさい、やらかしながら改善方法を模索しなさい」
「右肩上がりの成長は危うい説!3歩進んで2歩から10歩下がるぐらいでもナンダカンダヨシ!」
ぐらいでマインドセットしとくと、比較的安心して模索できるのではないかしら。知らんけど。

定型のお作法と言語

ASDの言語と定型の感覚にはズレがあると言われています。 
言語にも、深刻なズレがあります。
郷に入っては郷に従え。
少数派であるASD側が翻訳しながら生きるのが合理的だと思うよ。
*2



ひとつの言葉が、たくさんの意味を持っています。
辞書に載っている意味だけでなく、口語表現もあります。

大事なことを言います。実は、大多数の人って、そんなに言葉を厳密に使いこなしていません。言葉に真心を込めているとも限りません。言ったそばから8割忘れてることもあります。マジです。その証拠に、おばちゃんも今ノリで書いてる(オイ)。え


言語に対して細やかなところがある子には、早めに、

・言葉に対する細やかなセンサーが、強みになることはある
・とはいえ、なんでもかんでも顕微鏡で見ているみたいなものなので気付かないうちに疲れてしまう
・言葉センサーの感度を下げて、雑な使い方や雑な受け取り方をするのも、処世術、電池セーブ機能としてやってみると吉だよ
・約束守ろう!決まりを守ろう!と教えるのは、約束やきまりがあまりにも破られやすいものだから

って認識を持たせておきたいです。

言葉を大切にする子は、自分とのやりとりや約束を大切にしない人を軽蔑します(自分が約束守るかはまた別の話ね)。
会話の内容や約束を忘れられることは、ある種の侮辱として映ります。興味関心があれば忘れにくい子となるとなおさらです、自分は興味を持った人の言葉は忘れないのですから、忘れているということは、その人に興味を持っていないという意味になりますからね。


記憶力が人それぞれえげつなく違うという感覚も、約束という言葉の拘束力も、素ではなかなかわからないです。

小学校1年生
「3時に公園集合!遊ぼう!」
とか
「バスで席隣になろうね!」
みたいな約束を破られまくって、人は、人を信用しすぎると心が張り裂けるからやめよう、ホドホドにしておこう、と学ぶのではないかしら。

そもそもサピエンスの大多数は、他者を敵視します。同じコミュニティの仲間だとみなさず敵視する能力を持っている

抜けない棘

立場によって正しさは異なるし、自分の立場で全てを把握できるわけじゃない(と同時に、自分の拠り所とする正しさにもそれなりに価値がある)
繰り返しになりますが、一部の子達は、低年齢時に
「言葉は刃」
「空気を読め」
「迷惑かけるな」
「人の気持ちを考えろ」
などと言われ続けたり聞き続けたりすることを通して、これらを絶対正義として受け止めます。

その上で、これらの非認知能力が急激に育つことをきっかけに、過剰に空気、言葉、人の気持ちを大切にし、真意を探ろうとして過剰に深読みして自滅したり、身動きできなくなったりします。どげんかせんといかん!


人は、自分の正しいと思うことや自分軸に依存します。おばちゃんだってそう*3

ASDみのある人は、大きな挫折や死の恐怖などインパクトのある出来事によって、社会との違いを認識し、自戒、自省を始めることが多いです。いったん混乱しますが、

正しさは多様であり立場によって正しさは異なるし、自分の立場で全てを把握できるわけじゃない(と同時に、自分の拠り所とする正しさにもそれなりに価値がある)

という原理原則にたどり着けば予後良好です。これはヘタクソな歯磨きより毎日反復させる価値があるかもしれない。


正義と悪、良い悪い、勝ち負けの二元論にドはまりして、誰からも自分の想定外の面白い視点を提供されなければ、適応は難しくなるでしょう。
尖った趣味兼才能があるとそこに没入しやすくはなるかもしれない(いいとは言ってない)。

ASDと定型の間の壁は言語の壁

ASDと定型は、敵でしょうか。いいえ、敵はありません。共通の敵は承認欲求です。
適材適所と相互理解で、ナイスなチームを作れることもあります。

ASDと定型がチームを作る時、意識しないといけない壁があります。それは言葉の壁です。

同じ日本語同士で、壁など無いように見えます。でも、バッチリあります。まだ英語をはさんだほうが誤解が少ないかもぐらい。


おばちゃんは、郷に入っては郷に従え。つまりマイノリティな言語を持つASD側が、マジョリティである定型の言葉を学んで2か国語話者になるのが一番本人もまわりもラクだと考えています。

あっ受け取り方に違いがあるのね〜面白いな〜(笑)というような、異文化を面白がる力はすごーく大事です。


そのためには、まず自分のベースとなる文化、価値観を言語化してみてください。お手伝いします。
さらに
「あなたの文化はチャーミングだ」
という発達フェチおばちゃんと話すなどして、

自分の心理的バックグラウンドはマイノリティでめんどいけどナンダカンダ気に入ってやらんでもないぞよ

ぐらいのとこまで持ち込みたいの。

異性のこと

男の言葉に気をつけろ。

なんでこんなこと言うかって?

心が親から離れてはじめて、ASDの特異的な感性感受性を褒められると、生まれたての鴨のひよこみたいにどんなクソ男にでもついていくからだよ。どんなに警戒心が強くても、その警戒心の強さと
「嫌な女、冷たい女になりたくない」
「人の心を傷つけてはいけない」
という善性を逆手に取られるからね。マジで気をつけろなのよ。

かといって、気をつけすぎてノーリスク志向だと、ガチガチ修道女状態となるわ。手に職つけて自由な女になるのを望みまくる親御さん多いけど、好き者だとストレス発散のスポーツ感覚の性交渉をしまくってまあまあ予後不良なような…、古い考え方かもしれないけど。

ガードが固すぎてもゆるすぎても、カチッとハマる相手との出会いに恵まれなくなるよ。


話していると、
「一生彼なんて、いらない、一生結婚しない」
という子がASDにはすごく多いなと感じます。
「結婚生活なんてあなたには無理だから、勉強して、いい仕事に!」
と刷り込んでるお母様もいらっしゃる。

まあ一生家事手伝いでもなんとかなるお家柄もあるし、50-60まではお一人様楽しいけどね…。ASD女子で多動がないなら、仕事で一生がんばって生き甲斐感じて云々って、思ってるより大変よ。

結婚生活より、仕事で自己実現のほうが難度低いとなぜ思ったのか聞きたい。結婚生活が難度高いのか、人を見る目の問題なのか、精査したのかな。
ASDみがある女子はね、体力おばけか、サイコパスみたいなのを除くと、疲れやすい。心と体はつながっているんだね。
気をつけないと、余暇を充実させる気力体力が残らないかも。

バイト女医さんならいいかって、自分と子供を大切に楽しく女医さんごっこしてる人はコミュ力モンスターか、厳しい淘汰をかいくぐったメンタルモンスターかのどちらかだから…おすすめは難しい…清々しいほどの図々しさがないとなかなかああはなれないんじゃないか?(あっすみませんうちのご利用者さんたちの話ではないよ!)。

それよりは、身の丈の暮らしを楽しめるよう、手仕事やら散歩やら、気軽にできる気分転換の楽しさや、時間の使い方、鍛え方から教えてあげてほしいなと思います。

完璧主義禁止令

完璧主義は、スーパースペシャルエリート以外にとっては厄介だな。
完璧主義者もいろいろだけど、生身の人と人の軋轢や、ナンダカンダ回すしかない日常ってものに耐えられないタイプはぶっちゃけまずい。ここでもバランスや割り切りという難しい問題に直面するわけよ。

完璧主義、超ハイスペックパーフェクトヒューマン以外にとってはテトロドトキシンもびっくりの猛毒よ。適量なら薬にもなるけどね…。

子供の完璧主義は、物心つく前にドロ塗って冷水浴びせて、ぶちのめしておきましょう。   

そのためにはって?

テスト勉強しまくってても、それが完璧主義と過剰適応由来なら、褒めきって終わり、という関わり方に気をつけることでしょうな。


褒めるなというのではなくてね。褒め切りは完璧主義を助長するからほどほどに、だよ。

褒めた後バランス一回取って、そのあとまた軽くほめるテクはおすすめ。関係性にもよりますが
「あらすごい!高得点!ぶっちゃけどうでもいいっちゃいいんだけど!復習頑張ってたもんね!あ、頑張らなきゃだめってことではないよ!」
みたいなね。
これは聴覚過敏でワーキングメモリがそこそこあると効きがいいような。

コミュニケーションとして褒めただけで他意はないとしつこく伝えないと、
「褒められない=ダメ」
と受け取られちゃうことがけっこうあるよ。


目を見て話を聞くには〜情報量とトラウマが多すぎる説

フツー(※おばちゃん語では取るに足らない、おばちゃんの興味を惹きつけないの意)の子に向けられる何気ない指導を真に受けて、ASDは社会への不満を募らせます。


これは一例ですが、
「話し手の目を見て話を聞きましょう」
というメッセージがありますよね。

高IQの多数派は、この指示の必要性が理解不能です。まわりの
「話す人の目を見て話ましょう、わかりましたか〜」
「はーい」
を聞いてて、いや全然わからん…怖。無理。と思いがち。

高IQってのは、音声、思考、言語やその他感覚などに対するセンサーが異常に強い子たちだとおばちゃんはとらえています(理由はわからないけど、IQをはかるテストを作った人たちが言語、思考、音声にも強かった説をとるよ。定量化しやすい能力がこれだったってだけなんだよなたぶん。本当は、巻き込み力、交渉力、突破力、人を和ませる力、心理的なしなやかさ、敏捷性、巧緻性、剛性弾性、色彩感覚や感受性などの感覚、徳、みたいな能力もはかれたらいいんだけど)。

目からたくさんの情報を受け取りすぎて疲れてしまう子もいれば、そっぽ向いたり他のことをしていても、聞く価値のある話ならば、脳の音声ファイルに入れちゃう子もいます。
どちらのタイプも、目を見るのが苦手なようです。

目を見ると、受け取らねばならない気がするデータ量が増えすぎて処理が困難になるというのは、高IQならではの苦悩です。

彼らはキャパオーバーから心身を守るために、敢えて目を見ないように進化しているのかもしれません。


目を見なくても、聞けていることは思いの外多いのよ。逆に、目を見ているからと言って話を理解できているとは限りません。

データ処理に時間がかかるにしても、あとから脳内アーカイブをサーチさせると認識はしていたとわかり、驚かされた…そんな経験お持ちの親御さんもいらっしゃるのではないかしら。

彼女たちは恋でもしないとなかなか目を見ません、または過剰適応的にめっちゃ見つめます。
そして頭には、思い出す作業を経ていない記憶がたくさん詰まっている(話は聞けていないわけではない、適切な処理が滞っていることはある)。

ですが、話者の目を見ていないという理由で
「話を聞いていない」
「態度が悪い」
と言われている…。

理不尽だと思うよね。そりゃそうだ。
目を見て話を聞け!と言いつつ、絶対見えない席や列の配置。
全校朝礼中に校長の顔見ようとして動くと叱られる。
整合性、一貫性を好むとされるASDにしてみたら、学校はカオスです。目を見ろと怒られたり、目を見ようとして怒られたり。意味がわからない。
意味がわからないことはしたくない。そうなると、学校には行かないですね。

この界隈の必修科目かもしれないぐらいに思ってるんだよ、おばちゃんは。トラウマちっくな思ひ出がないとガードレールにぶつかって崖から落ちるからさぁ界隈。
トラウマは、引きずる痛みを伴うけれど。トラウマってのは、つかいようなのよ。衝動性ブレーキとしてなかなかに高機能だ。もちろん、過剰だと、ブレーキかけっぱなしになるから、それなら解毒にフルコミットすることになるかなと思います。


いやはや長くてごめんなさい。このシリーズは多分次で終わる…はず。読み切れたらそれだけで根性ある保証がつくわよ。続きます!

第8回、ファイナル! 
ASDあるあるトラウマ「どこ見たらいいの問題」
・目をやんわり合わせるという儀式
・目を見ないと異端者扱い
・話している人を見てはいけないとき
・気後れ問題
・終わりに
correct-me.hatenablog.com



*1:うちのご相談はIQ100近辺〜MAX値またははかったことない方までいろいろ。福祉が提供する療育とか特別支援のベースは知的障害児など向けで、高IQ寄りとか、ネガティブ記憶が強いとかのASDについては、記憶や思考の害を想定してない療育とはまったく別の対処法が必要だからね、マジで。 そして高IQのASDの支援方法は、福祉サイドにはまだよく知見が集まってないんだよ、高IQ 、ASD家系は、よっぽどのことがないと福祉に頼りたがらなかったというのもあって。だから、代々そういう家系がまわりに何家系もあって、やらかしっ子やとっちらかりっ子をたくさん見ながらまっとうに育てた、傾向アリの素人マダムのほうが詳しいんだ。ちなみに、幼少期に典型発達(いわゆる定型発達)の子と隔離して育てるのはアリだけど、定型という異文化の存在や、自分は移民とか留学生的なマイノリティであることを知らずに隔離だけするのは、放置よりも危うい気がするよ。ノーペインで育てればすくすく育つと思ったら大間違いだよ。子供の頃から高IQの大人に心の傷がないとすれば、それは乖離を起こしてるか、能天気すぎて忘れる力が優れているか、強がっているか、これから挫折が来るか、じゃないかね

*2:参考 https://correct-me.hatenablog.com/entry/2018/10/18/%E8%BE%9E%E6%9B%B8%E3%81%A8%E5%9B%B3%E9%91%91%E3%81%AF%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%81%AE%E8%B3%9C%E7%89%A9 correct-me.hatenablog.com correct-me.hatenablog.com correct-me.hatenablog.com ]

*3:過剰適応も正しさへの執着のひとつの表出で、強者の意向を正しいとする自己暗示状態と言える。怖いから従うというのとはまた微妙にニュアンスが違うんだけど細かいことはここでは割愛! 過剰適応の幼児は見ていて不安になるが、ASD女子の生存戦略としてはありなんだろう。 過剰適応気味でクソ男やブラック職場に依存しちゃうと心配だけど、出直せるし

【質問箱22-6】高IQのASD女子の二次障害克服方法

前回はこちら
correct-me.hatenablog.com

ASD女子は子供時代はラクな孤独を愛するが、思春期以降異常に寂しがりになる子がいる

ASD女子あるある。
友達ができないけどすごくほしい。できそうな仕事が限られている。だからこそ
「いい学校へ入るといい友達ができる」
「頑張るといいことがある」
「男に頼らず自立を」
「世のため人のためになるやりがいある仕事なら楽しいよ」
「自分の仕事とお金があったほうが人生は楽しい」
というど正論風メッセージを伝え、お勉強がんばらせるのがこの子のため、とお考えのご家庭も多いと思います。

これ全部呪いだよ。

こういった綺麗事的な過去データに囚われて、現況優先のできない子が盛大にこじらせるんだってば。

綺麗事を刷り込むのは、理想と現実の葛藤からほどほどを学ぶという仕組みが身についていない子にとって、大人としての健全な社会生活からはぐれていくトリガーになりかねないんだっつーの!*1


しかも、何気ない言葉を、何でもかんでも数学的な命題としてとらえ、逆や対偶もまた真だと認識する習慣がついてしまうんです。
https://rikeilabo.com/proposition-formulaより

「男は大変」
と聞いて
「女は大変じゃないと言われた!キーーーー」
みたいな人よくいるよね。言ってませんよ。思ってたかもしれないけどそれは邪推というものだ。


これいわゆる定型発達(典型発達)の方にもよく起きています、ハイストレス下だと特に。

とはいえ、忘れる力がありさえすれば、過去との整合性とか全く必要としませんから、葛藤もマイルドです。

しかし高知能高記憶力の子がこの調子で情報処理していたら?…心が休まるわけがないのよね。過剰な深読み習慣とでも言おうか。

こじらせやすい思考凸勢、ハイストレス下のみならず、日常的にも、この思考を無意識に炸裂させてしまうから、日常がハイストレスなのよ。

空気を読まないASDの子に
「人の気持ちを考えましょう」
「まわりをよく見ます」
だのと刷り込むのは百歩譲って許すが、フォロー必ずしろよ?!!!とおばちゃんが日々叫んでいるのはこれ。

人の気持ちを考える機能がないように見える幼児やガチのASDでも、時間差で、ものすごい高いレベルの深読み洞察力や客観視の力がついてくることがあるのよ。

「え、一生苦手なんじゃないの」
って?いや、そうとは限らない。複雑で大きなものを作るには、テントやプレハブ建てるよりも年月が必要なのだと思うよ。

深読みコントロール

ASDと幼少期に診断される子は、幼少期こそ空気読まない、人の気持ちを考えない。
でも、あとからすごい高度な深読み能力が実装されることがザラにあるのよ(ずっっとおサイコパスな人ってそんなに数いないと思う)。
そして、深読み力って、役に立つときは確かにあるのよ。だからなんでもかんでも深読みして、依存するのよね。
そうこうするうちに、必要な範囲、対応可能な範囲を容易に超えて、悪癖となって、依存を超えて執着になっちゃうと厄介。

今は無理でも、深読みの力を適宜緩和してバランスをとる方法を知って、バランスとることを習慣化していく必要あるよ。これは小学生でも、言語的に聡明な子はわかってくれるから伝えておきたい。あ、伝え方注意ね。正論ぶつける型が向かない子もたくさんいるからご相談ください。


ただ
「実際にできるようになるのはもっと先らしいよ、今は深読み力とか強すぎる力は、普段は下げておくとラクらしいと知っておいて、練習できそうなときだけでいいらしいよ」
というような説明を添えないと
「そんなのできない、無理」
という感覚で頭が一杯になっちゃうので、これも要注意。ほかにも気をつけるポイントはその子によって違います。おばちゃんと手探りしようよ。

こじらせるメカニズム

高知能のASDは、脳内情報をサーチして、違和感ポイントの有無や正誤を判定するのが得意です。
うまく使えば強みになるのですが、力加減や力の使い所を覚えないと、自己認知をこじらせるためにその機能を使ってしまうようです。

たとえば
「がんばってる子は素敵だねー」
ありきたりな言葉を、荒ぶる思考力は
・私はがんばれないので素敵でない
・私は素敵でないのでがんばらない
みたいな不幸な処理をしまくるのです。心当たりある方もいらっしゃると思います。*2


これ、さらに進むと、誰かが他人やきょうだいのいいところをほめたりけなしたりするたびに
・私にはそのほめられ因子があるだろうか→ない→私、価値なし
・私にはそのけなされ因子があるだろうか→ある→私、価値なし
こういった作業が習慣化します。

さらに
・私にもそのほめられ因子があるのにほめられない→この人嫌い、この社会、価値なし
・私にはそのけなされ因子はないのにほめられない→この人嫌い、この社会、価値なし
・私にもそのけなされ因子があるのにけなされない→この人も社会も、私のことなんてどうでもいいんだ
・昔は掛け値なしにほめてもらえたのに今はノーコメント→人生消化試合、この社会に価値なし

というような受け取り方を積み重ね、ジャッジする思考が習慣化してしまいます。

これね、決して心地よい習慣ではありません。


荒ぶる思考力は、味方にすれば心強いですが、その力が自責に向かっているときは、異常に手強いです。
止め方を修練していないと止まりません。止まれない思考は常に活動場所を探しています。こうして、自己か他者を攻撃する思考にハマっていくのです。


ASD的な子は、変化に弱いと言われています。1日の中では、家から出たがらないのに家に帰りたがらない、とか、お風呂に入りたがらないのに入ったら出てこない、みたいなのもよく聞きます。これは感覚的な変化の瞬間を好まないということかなと思ってます。

長期的なことに関しては、記憶との整合性を希求するせいだとおばちゃんは思います。
自己否定や社会への嫌悪に向かう思考は、
「正しいこととして入力された記憶との整合性」
を絶対的根拠にしているように見えます。

ですから、おばちゃんは、ちびっこ向けには、予防的に
「絶対はない、立場や状況によって正解は変わる、正解が好きなのはいいけど絶対視させるな、どうせ正義が好きなんだからバランスを教えろ、受験文化圏における正しさは実業や経済や学校の正しさとは違うことも多い、知らんけど」
とアドバイスしています。


もし、お嬢様と関われば関わるほど気持ちが遠ざかっていくと感じたら、こういう思考が発動していると考えて、おばちゃんブログのコピーや認知行動療法の本でもトイレに置いてみましょう。


正誤判断に執着がある子に、思考力と自己をモニタリングする力や他者と比較する力(客観視とかメタ認知とかいうのかな)がついてきたとき、このような特有の認知をするのではないかとおばちゃんは思うとるんよ。

認知の歪みのひとつですが、幼児期や定型発達の大人に見られる単視眼的、独善的な認知の歪みとは性質が異なり、脳内にたくさん積み重なった先行資料に基づいて自己否定を深めるという専門的な取り組みとなります。


善意の声掛けがその子を自己否定に駆り立てていく。こんなことを言ったら、親御さんたちは不安でたまらないですよね。ごめんなさい。でも、
高い思考力勢は、長期熟成して腐らせかねない…これは、ご自身が高思考力のこじらせ経験がないとピンとこないかもしれません。

「いい学校へ入るといい友達ができる」
「頑張るといいことがある」
「世のため人のためになるやりがいある仕事なら楽しいよ」
「自分の仕事とお金があったほうが人生は楽しい」

このような言葉は、高思考力の子の脳ではしばしば

いい学校ではないからいい友達ができない
いい友達ができないのでいい学校じゃない
頑張れないので、いいことはない
世のため人のことにならない、お金のための仕事にやりがいはなく楽しくない
仕事のやりがいがないのは世のため人のためにならないクソな仕事だからだ
自分のお金がないから人生は楽しくない

…と解釈されてしまうことがね、あるんです。あるんだよぉ。えーと、この理由はわかんないんだけど、ひょっとすると小さい頃から耳にする
「人の気持ちを考えなさい」
「言葉は大切」
等が原理原則化して、考え過ぎにまで到達しちゃってるのかもしれないね。



さて、ここに

【人に迷惑をかけてはいけない】

このダークマターが入ると、苦手なことがあったり不注意だったりする子は、人と関わること自体を避けるようにプログラムされますよ。いやマジだって。知らんけど。


人に迷惑かけない仕事、役に立てる仕事、やりがいある仕事、ギャラのいい仕事、そんなの奪い合いになるに決まってるよね。

よっぽど卓越するか、人を蹴落とさないとなれなさそうに見えてしまう*3。なったら目立って、かなりえげつない妬みや、批判を浴びる。

それでも、無理に頑張って手に入れた力で一生人の役に立ち続けようとする。それで生活もしていかなくちゃ、って。
おばちゃん、書いてて絶望するんだが…*4

世にあふれる、
「受け取り手が勝手にバランスを取ること前提で投げられる何気ない言葉」
の受け取り方を、ASDは知らないのよ。そこでひと工夫が必要です。

言葉と心の緩衝材を自分で用意するという工夫です。

緩衝材的キーワード

ASD風味における問題点と特技は紙一重。今回は問題点として扱います。

カメラに例えればオートフォーカス機能の不具合(良く言えばライカのような味のある絵が撮れる)。
車に例えればアクセル、ブレーキ、ハンドルの遊びがないことによる不具合や衝撃吸収力不足で一般道走行に向かない(良く言えばサーキット用)。

ASD特性がある子の中には、言葉の受け取り方が厳密で柔軟性を保ちにくい子がたくさんいます。
記憶も強い場合はさらに大変です。
アドバイスや情報のデータを大量に同時処理・実行しようとして、バグり、ネガティブな過去として一生抱えます。

たとえば、
・人の気持ちを大切にしなさい
・自分の気持ちを大切にしなさい
同じタイミングで言われたわけではないのに、時空を超えて同時に実行しようとして、まわりと自分の利害が一致しないと思うや、とたんに身動きが取れなくなるのです。

どうしたら防げるのでしょうか。

一般向けとしてはくどくなるのですが、敢えて緩衝材的なキーワードを挟み、断定的な言い方を避けます。

ASDの子の脳は、大人の言葉を原理原則として取り入れようとしてしまいがちです。何度も繰り返し言われればなおさらです。

ところが、大人はその場に応じて言うことを変えていますよね。
ASDのお子さんの中で、これまで積み上げた情報との整合性が取れなくなります。ぐるぐる処理中サインが出てしまい、処理速度が遅くなるのは当然です(処理速度凹には、ほかにも、デザインeyeや立体視eye、目や耳、気圧気温空気の匂い等採集データ&集積データ多すぎ、各種感覚過敏などなどのパターンがあり、それぞれの判別法や対処法は異なります。ご相談ください)。

処理速度が低く出ている理由が、聴覚情報の処理に時間がかかっている場合、
「という説があるらしい」
「と、言えなくもないかもしれない」
といった、言葉と心の緩衝材的なキーワードを入れます。

一般の人にとってはまわりくどくてうざったい言い方になりますが、ASD風味がある子は
「この人の話は複雑なのになぜかスッと聞ける」
と感じてくれるようです。ASDの方に人気の支援者は、だいたい緩衝材的な言葉を挟むのが上手いです。

問題は、おばちゃんや人気支援者みたいなASD用翻訳者を連れ歩くことができないことです。

そこで、おばちゃんの言う事興味深い、と思って頂けるならば、真に受けがちな御本人側で言葉を補うことを提案します。

「人は、しばしば言葉を端折るという説があるらしい」
とかね。
刷り込みます。

そして脳内で、他者の話に
(〜という説があったりなかったりするらしい)
(知らんけど)
(自分でも何言ってるかわかんないけど)
といった緩衝材的なキーワードを相手の言葉に勝手に補って処理するという、思考実験を促してみるのです。
 
どうやって刷り込んだり促したりするのかって?
おばちゃんは、お子さん、ご家庭等に関するお話をたくさんうかがった上で、緒を探します。
その子の大切にしている世界観に興味関心を持ち、謙虚に教えを請いながら、こちらのメッセージを
・上から目線でなく
・やらかし属のひとりとして
提供すると、跳ね除けなくなることああります。

「…」
「へぇ」
「ふむ」
「あー、あるかも」
「なるほど、それだわー」
と、だんだん反応が色良くなっていきます。

お子さんの世界観に興味関心を持ったフリ、わかったフリ、知ってるふりは、悪手。見抜かれてそっぽ向かれますよん。


続きます。
第7回もくじはこちら!
・定型のお作法と言語
・抜けない棘
ASDと定型の間の壁は言語の壁
・異性のこと
・完璧主義禁止令
・目を見て話を聞くには〜情報量とトラウマが多すぎる説
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*1:おばちゃんは、高知能のASDに究極的に重要な初等教育は体の動かし方と体力作りとゆる支援だと思う。ゆる支援でまわりとの共生がうまくなると日常は生きやすくなるけど、災害級のインシデントでなくても、キャパを超えることってあるんだよね。身体使って発散とか、趣味でリフレッシュしようにも、要領悪い上に体力ないと、時間作れなくて、回らなくなる

*2:おばちゃんの祖母は、美味しい!と褒めると 「私はまずいものは出していない!嫌なら食べなくていい!」 とブチギレるヤヴァさのある人でした。彼女は、これ美味しいねって言葉を、これ以外はマズいねととらえていたわけです。実はおばちゃんも若い頃この思考クセを持っていて、誰かが褒められるのを聞くと、自分がけなされているという受け取り方をしていました

*3:実際には、ペイにこだわらなければ好きな仕事を選べる余地はけっこうあるんだよな。おばちゃんの後輩で、実家が太いマダムでな。デザイナーとかクリエイターのマネごと(おい)やってて、好きな仕事だけ選んで、丁寧にやってる。同業者には怒られるだろうが、採算なんてどうでもいいんだから仕方がない。かくいうおばちゃんの事業も、運営コストほぼゼロで好きを仕事にして小遣い稼ぎができてる。生活費は働き者の所長ががんばってくれているので全く心配ない。だから心穏やか、親切なおばちゃんでいられる。関連書籍は経費だ、積ん読増えすぎて買ってないけど。 お育ちのいいASD女子、ビジュアルがいいASD女子、気をつけろ。やっかまれることを防ぐ手段を知らなさすぎるぞお前ら。園や小学校中学校高校大学の間に「嫉妬」によってひどい目にあわないと、ピンとこないから、嫉妬浴びてたらいい学びだ!!と恍惚としてほしい(そこまでしなくてもよい)。 働きたくなくても働かないといけない生まれの人もいるんだよ。働かなくても暮らせるのに、やりがいーとか言ってると、妬まれても当然。 学歴フィルター突破できる大学入ってリクナビ経由で云々とか医師免許薬剤師免許必須とか思い込ませがちだけど、こういう外伝みたいな生き方も、知らせておきたい。ただし幼女の頃からゆるーい生き方でいい、っていうんじゃなくて、バキバキに悩んで苦しんで流れ着いた場所がなんとなく居心地がいいなぁありがたいなぁ、っていうかんじ。おばちゃんの推しコースで

*4:このタイプの女子は専門職、中でも医学部が人気ですが、実は医学部女子の人生設計、ASDにはものすごく難しい。医療従事者って意外に感謝されない、それどころかお世話した患者さんに怒鳴られたりセクハラされたりしてるんだよ。治療したくない患者も来るし、逆恨みもあります。感謝のいらない自己完結型の子や、小学校時代に妬み嫉みで絡んでくる輩を完全に攻略した人心掌握巧者でないと、すぐ鬱になります。みなさんね、自分のお子さんの力を最大限引き出したがりますが、尖ったところを振り回すより、懐刀、守り刀としたほうが幸福度が高まるかもしれないよ。早慶卒でポンコツ扱いされるより、関東上流江戸桜の割に出来る、って認識される方が幸福度高いってこともあると思うし…。高橋まつりさんのご冥福をお祈りいたします

【質問箱22-5】高IQ不登校ASD女子トラブルシューティング


前回はこちら!
correct-me.hatenablog.com


引き続き、高IQのASD女子の件です。多くの専門家が、最も支援困難とする属性です。いわゆる二次障害的な問題も、高知能だけに複雑です。

おばちゃんに言わせれば、高知能によってこじれたものは、高知能のこじらせどころをよく知る支援者によってほぐすことができますので、手間暇はかかるけどどうにかなるよ。*1

言葉のワクチンによる予防よりは手間暇お金かかります。それでも、高知能の先達の知恵を使えるっていうのは圧倒的に有利だとおばちゃんは思うわけです。
予防方法やBBAの繰り言もちらつかせながら参ります。

負荷の許容量

負荷の総量の管理は必須です。負荷と一言で申し上げましたが、圧力や不快感、背負う責任、過敏さなど有形無形のものを含みます。

負荷がない状態ってどんなイメージでしょうか?自由なパラダイスでしょうか。
うーん、そうですねぇ、自由かもしれないですが、パラダイスと言うにはあまりにも自己責任が重いんですよね。

よっぽど刹那的に生きているかよっぽど計画的に生きられるかでないと、自由に振り回されるでしょう。

いいたとえかわかりませんが、真の自由は無重力のようなものと言えるかもしれませんね。
地球で生まれた人間が長く無重力で過ごしたあと、どうなるか。ご存知ですね。弱ります。地球にいるときより筋トレをせねば、みるみる弱ります。

負荷がないと、負荷がかかっているときの身のこなしどころか、最低限の生命力も得られません。

ただし、負荷が許容量を超える頻度が高すぎると、オーバーワーク、オーバーヒート、オーバーシュート。ヒューズが飛ぶわけです(ドラえもんで読んでるとヒューズのイメージが伝わりやすいけど、リアルではブレーカーが落ちると言ったほうがいいね)。


さて、やっと本題、負荷の許容量の話です。
わからないですよね、その子にとっての許容量なんて。おばちゃんもぶっちゃけわかりません。手探りです。

歯車の回る方向にどう力を添えるかのイメージと同時に、干潮で、波が低いときを見極めて防波堤防潮堤を築くイメージ。

おばちゃんはねぇ、人間の心と体には、ピンッとした揺るがない歯車的なものと、波、ゆらぎが混在しているように感じています。論理と感情とも、骨と肉とも。

ヒトは、大自然由来の揺らぎを内包しています。

ところが、高知能ASD的に進化を遂げたDNAは、揺るぎないロジックやロジックを内包する美に魅力されます。波、ゆらぎをベースとする生命体や自然に対しても、秩序やある種の整合性を求めます。


人は揺らがないものと揺らぐものが組み合わさり、さらにたくさんの因子が複雑に絡み合ってできていて、厳密に決められるものではないので抽象的ですみません。
これだけは言えますね。ガチッとした答えがないということ。生きて考えているというのは、確かさがないということ。
そして、歯車を組み直す必要があるのか、負荷をガツンとかけたら歯車がスムーズに動き出す回る子なのか、油をさして慎重に回せばいけるのか、充電が済めば回るのか、別の電源を確保してつなぎ直せばいけるのか、ま水ぶっかけて乾くまで待つべきなのか、みたいな見立ては得意です。個別にご相談ください。

キャパがでかけりゃいいってもんでもないんですよ。よくおばちゃんが
「いいヤツ…だけど変」
まで擬態するのはやりすぎ!
「変…だけどいいヤツ」
の範囲に収めろ!と言ってることにも通じています。


学校や塾、家庭における負荷の総量は、先達の知恵を借りればボリュームディスカウントが可能です。
筋力が落ちきって地球の重力に耐えられない状態でも、水中エクササイズや補助具の利用で、筋力を取り戻すことができます。SIXPADみたいな電気で筋肉に刺激を与えて、寝ながらにして筋力UPを促すこともできます。


まわりの大人がお子さんの負荷を肩代わりせねばならない期間もあります。ASD風味があってもなくても、やってもらったことを既得権益として主張し始める輩はいます(それが悪いとは言ってないよ!ある種の交渉事を仕事にするには、そのマインドと、ストレスためまくりブチギレる親御さんによる訓練が必要です)。

「期間限定のつもりなのでよろしく」
等と伝え、マンツーマンレッスンで応援します。


二次障害

なんかこの間も書いた気がするけど大切なことなので何度でも書きます。

二次障害は絶対に避けるべき地獄である!と便宜上言うことはあるけど、そーいうレッテルはおばちゃんは違和感ありよ。

二次障害も当然の成り行きと想定しておいてね。でないと、
「絶対に陥ってはならない無限地獄」
という思い込みの中で苦しむことになると思うのよ。


どんなインシデントからもなんだかんだ立て直すとか、目標の下方修正で安定化をはかれる、しなやかな思考習慣をつけておこう!という方針の共有をおすすめしてます。

あ、生まれつきしなやかすぎるASDは、過剰な過剰適応しちゃうからそういう子は別よ。おばちゃんとしては、ASDは、過剰適応を恐れすぎてもいけないし、ナメすぎてもいけないと思っています。その間を行ったり来たりしながら、
「なんだかんだ、こんなもんでいいな」
という入江で浮かんでいたらいいんじゃないかね、知らんけど。

ASD女子の対人関係

高IQのASD、孤高を好むかに見えて、人一倍寂しがり屋です。女の子は特にそうじゃないかな。なんとなく。

ASDもいろいろで一概には言えませんが、おばちゃんは、生存欲求が薄めだとASD風味感じます。

生存欲求が薄い。生存本能が弱い。センサーや記憶媒体としては機能的でも、生命体としてポンコツがち(ASDの子って食べるの遅くない?逃げ足遅くない?修羅場くぐると速くなるんだけど)。

その代わり、表に出す出さない、諦めた諦めていないは別として、
・強大な知識欲(整合性への欲求、正しさへの執着)
・所属欲求
・承認欲求
・養育欲求
を秘めていることが多いです。

またそれらが満たされていない時は、代替として希死念慮や自己否定を含む破壊欲求*2
が肥大化する可能性があります。
物騒だと思われますよね、はい、でも想定しておくべきです。
幸せに育った思春期ASD女子、王子様が迎えに来てくれなければ死にたいぐらいは思うもの。親御さんとの心理的距離が近すぎたら、死にたいぐらい当然言われる。

満ち足りた家のお母様が本気で仲良し母娘目指してきたなら、
「死にたい」
聞けます。友達だもの。みつを。想定内にしとこうね。

ちなみに、二次障害の定義にパキッとしたのが見当たらないのですが、余力ある状態でヒューズが飛んだ(ブレーカーが落ちた)とか過充電みたいなケースと、完全に脳のエネルギーが枯渇してうつや統合失調症に近付いているケースをごちゃまぜにしたらいけないなと思ってます。

前者は、命の危機に際しては、生存本能がonになり、サバイバルパワーを発揮する傾向も観測されています。また、希死念慮自死完遂には大きな隔たりがあるようです。
希死念慮がある思春期の同年齢1000人中自死を完遂するのは数名いるかどうかじゃない?(あー全く根拠はないけどね)。
怯えすぎる保護者なら今以上に怯えすぎる必要ない。高知能ナメきってる保護者は高知能ナメんな。必要な情報は各々違うのはおわかりだろうけど、欲しい情報と必要な情報が異なることも多い。
バランス感覚弱い子のためのバランスの取り方についてはサブリミナル効果的に日常に染み込ませておきたい。

具体的に教えろって?
そうね…オカンというのは完全に無意識にバランスを取っている。バランスを取るときの思考にはちょっとした葛藤と、折り合いの付け方が含まれているでしょう。それを言語データ化して知らせていくかんじかな。もちろん、絶対的に正しい情報としてでなく、実験の生データとしてね。


続きます。
第6回、もくじはこちら!
ASD女子は子供時代はラクな孤独を愛するが、思春期以降異常に寂しがりになる子がいる
・深読みコントロール
・こじらせるメカニズム
・緩衝材的キーワード
correct-me.hatenablog.com

*1:ここ誤解されやすいのが、高知能≠高IQ。高知能でも、IQとして表出していないことがあるのよ。感覚過敏が言語や図形に出たらIQは高くなるけど、細やかな色彩や造形などに対して繊細なデザインeyeや、味や触感、空気の流れやにおい、気圧などへの繊細さを持つ子たちは、知能テストよりもものつくりや身体表現などに引き寄せられていき、うおおおおすげぇぇぇみたいなIQは出にくい。おばちゃんも時々どっちの話ししてるのか忘れる。ごめんな。どっちにしても個別性が高い

*2:correct-me.hatenablog.com